SORACOMを調べる(コネクティビティ、アプリケーション)

序文

スマート農業に欠かせないのがクラウドの活用だと思います。センシングしたデータをクラウド経由で収集し、手元のスマホやパソコンで確認することになります。

Wifi環境の整った農場ならいいのですが、そうでないところは何か方法を考えなければなりません。

そんな時にふと耳にしたものがSORACOMです。噂によると、かなり安いSIMで数値などの少量のデータを扱う時にとても優れているということです。

農業をスマート化するにはIoT機器をたくさんつけないといけないと思います。その時にセンシング用の各エッジデバイスから取得したデータをクラウドにアップするときは、ある程度集約できるようなサーバーを置いてそこからクラウドにアップするか、エッジデバイスから直接アップするか、という方法が考えられます。

SORACOMを調べることで、エッジデバイスからクラウドへのアップ方法で、農業に最適な手法を見つけ出していきたいと思います。

SORACOMのウェブサイトを見てみる

概要を確認

SORACOMのウェブサイトによると、「IoT向けの無線通信をグローバルに提供するプラットフォームです。セルラー、LPWA(LoRaWAN、Sigfox、LTE-M)を、1回線からリーズナブルに使うことができます。」ということだそうです。

IoTに特化したMVCO(仮想移動体通信事業者)として2015年にサービス開始ということなので、当初からIoT特化のサービスを提供していたんですね。

スマート農業にはうってつけな気がします。

トップページを見たところ、下記のように紹介されてました。

引用元:SORACOMウェブサイト

月45円の少量データプランというのが、探し求めているプランのような気がします。月45円でどんなことができるのでしょうか。興味が深まります。

どんなサービスがあるのだ?

SORACOMのサービスを確認してみます。

引用元:SORACOMウェブサイト

「コネクティビティ」「アプリケーションサービス」「ネットワークサービス」「コンシューマサービス」の4つにカテゴリ分けされています。

それぞれのサービスを詳しくみていきます。

コネクティビティ

SORACOM Airがコネクティビティを司るデータ通信サービスのことのようです。

引用元:SORACOMウェブサイト

3G/LTE経由のfor セルラー、LPWAを使ったLoRaWAN経由のfor LoRaWAN、そしてSigfox経由のfor Sigfoxの3種類があります。

SORACOM Air for セルラー

SORACOM Air for セルラーは、IoT 向けのデータ通信 SIM 「IoT SIM」 を提供するサービスで、Web のユーザーコンソールや API を利用して各種設定の変更や、通信量を監視するなど IoT デバイスを一元管理することができるそうです。

1枚から購入可能​で、最安基本料金50円〜/月と低コストで始められるそうです。今回のPoCだと、ラズパイをまずは1台で試そうと思っているので、1枚から購入可能なのは嬉しいです。

基本料金が45円となるのは、SORACOM IoT SIMのplan01s – Low Data Volumeのようです。基本料金が、月0.4USDです。ただしこのプランだと、データ通信量が高いです。なので、データ通信が少ない場合、テキストを少ないタイミングで通信したいみたいな時にお得なプランになると思います。

今回のPoCでは、温度、湿度、照度、土壌水分量を數十分に1回送付するだけでいいので、このプランがいいかもしれないです。フォーマットを仮に下記のようになるとすると、

YYYYMMDDHHMMSS,NNN,NNN,NNNN,NNNN

一度の送信で32バイトで10分おきとして1時間で6回、24時間で144回なので、1日で144×32=4608バイト≒5Kバイトとなります。30日では150Kバイトで、1Mバイトで0.5USDなので、月0.075USD ≒ 8円。

計算が間違ってなければ、かなり安いですね。送信時はデータ以外にも通信のためのやり取りがあると思いますが、それを込みで考えても、数十円程度で収まりそうです。基本料込みでも月100円考えていれば余裕ですね。

このプランのデバイスは、以下の条件となっています。

  • SIM フリーのデバイスであること
  • ローミングの利用が可能であること
  • 日本国内で通信する場合、NTTドコモ社の3G網の周波数帯に対応していて、かつ技術基準適合証明等(技適)を受けていること 

SIMフリーでローミング可能でドコモ3Gに対応していればいいのですね。これに対応するUSB ドングルを買えば大丈夫そうです。

ちょっと気になったのが、メンテナンスのために接続する場合にその分利用料金がかかってしまうのではないかということです。少し調べると、SORACOM Napterというサービスがあることが分かりました。

このNapterはSSHでエッジデバイスにアクセスでき、1SIM分の無料枠があるそうです。詳細は後ほど調べますが、一旦これを使えばいいかなというところにしておきます。

SORACOM Air for LoRaWAN

SORACOM Air for LoRaWANは、LoRaWAN™ を使用した IoT 向けのデータ通信を提供するサービスだそうです。

LoRaWANとは LPWA(Low Power Wide Area Network) と呼ばれる無線通信規格の1つで、省電力で広域をカバーすることができ、IoT用途での利用に適しています。

LoRaWANの特徴として、以下のようなものがあります。

  • 日本では免許不要のサブギガ帯域である920MHzの特性を活かし、伝搬距離が長く、最大 10km 程度の長距離通信が可能です。
  • 低消費電力のためバッテリー等の電源設備の負担を低減できます。
  • 使用したいエリアに基地局(ゲートウェイ)を設置し、携帯通信網を補完することができます。
  • 標準化団体のLoRa Allianceにより公開されているグローバルでオープンな技術仕様です。

使用する際には、LoRa ゲートウェイとLoRa デバイスが必要です。

LoRa ゲートウェイは、共用サービスモデルというものを利用することもできるそうです。設置場所はココで確認できます。もし近くにない場合は、自分でLoRa ゲートウェイを設置すればいいそうです。詳しくは、以下にまとまってます。

LoRaゲートウェイの提供モデル

LoRaデバイスのお値段は、以下にまとまってます。

LoRaゲートウェイ、デバイス

さらに詳しくは、使う時が来たら調べようと思います。

SORACOM Air for Sigfox

SORACOM Air for Sigfoxは、Sigfox を使用した IoT 向けのデータ通信を提供するサービスです。Sigfoxってなんでしょうか。

Sigfox とは LPWA(Low Power Wide Area Network) と呼ばれる無線通信規格の1つだそうです。LoRaWANと同じようなものなんですね。

Sigfoxには、以下のような特徴があるそうです。

  • 低消費電力で、デバイスや使用方法によっては、乾電池で数年間稼働させることも可能です。
  • デバイスを低いコストで購入可能です。
  • お客様自身で Sigfox 基地局を準備、運用する必要がありません。
  • 日本では免許不要のサブギガ帯域である920MHzの特性を活かし、伝搬距離が長く、最大 10km 程度の長距離通信が可能です。(実際の通信可能距離は電波状況等によって変動します)

Sigfoxのサービス提供エリアは、以下のリンクから確認できます。

Sigfoxサービス提供エリア

こちらも、さらに詳しくは、使う時が来たら調べようと思います。

アプリケーションサービス

SORACOMはSIMだけではなく、いくつかのアプリケーションサービスを提供しています。データ転送サービス、認証サービス、クラウドリソースアダプター、クラウドファンクションアダプター、データ収集・蓄積、デバイス管理、セキュアプロビジョニング、ダッシュボード作成・共有といったサービスです。

ひとつづつ見てみましょう。

SORACOM Beam(データ転送支援サービス)

「SORACOM Beam(以下、Beam)は、IoT デバイスにかかる暗号化等の高負荷処理や接続先の設定を、クラウドにオフロードできるサービスです。Beam を利用することによって、クラウドを介していつでも、どこからでも、簡単に IoT デバイスを管理することができます。大量のデバイスを直接設定する必要はありません。」ということだそうです。

暗号化による安全なデータアップロード・ダウンロード

IoTデバイスでの暗号化処理がリソースの関係上難しい場合に、その暗号化をSORACOM Beamがやってくれます。

引用元:SORACOMウェブサイト

SORACOM Platformまでは、キャリアの閉域網なので安全ですが、そこからサーバーまでの経路をBeamが暗号化してくれます。現地の画像など機密性の高い情報を送信するときに有用ですね。農場の情報もある意味機密情報なので、暗号化したほうがいいような気もしてきました。

■接続先の切り替え

IoTデバイスは送信先をBeamに固定でき、Beamからどのサーバーへ接続するかをWebコンソールやAPIで指定できるそうです。

引用元:SORACOMウェブサイト

接続先サーバーを変更したい場合にIoTデバイスの設定を変更することなくできるのでとても便利ですね。

■Unified Endpointによる複数サービスの利用

統合エンドポイントとして、Beamだけではなく、FunnelやHarvestにデータを送信することができるそうです。IoTデバイスはUnified Endpointに接続を固定しておけば、あとは好きに利用サービスを変更できるようになります。

引用元:SORACOMウェブサイト

PoCではHarvestに蓄積、本番では、Harvestと自社サーバーに蓄積、みたいな設定が簡単にできるのですね。

■クラウドサービスへの接続

Beam を使ってデータの送信先をクラウドサービスへ振り向けることによって、IoT デバイスから容易に各種のクラウドサービスを利用できるようになるそうです。

引用元:SORACOMウェブサイト

IoTにクラウドサービス用のSDKをインストールしなくてもBeamが上手いことやってくれるそうです。さらにAWSだとインターネットを経由せずに AWS 内部のネットワークを利用した通信ができるそうです。これも便利

■SORACOM Beam のご利用料金

え〜。でもお高いんでしょ?

いえいえ、そんなことはありません。SORACOM Beamの利用料金は、ななんと!

1 リクエストあたり 0.000009 USD(税別)!!

しかも、無料枠が設定されており、1アカウントあたり月間 100,000 リクエストまで毎月無料となっているようです。

今回のPoCではひと月当たり144回/日×30で4320リクエストしか飛ばさないつもりなので、無料枠に余裕でおさまりますね。

SORACOM Funnel(クラウドリソースアダプタ)

SORACOM Funnelは、デバイスからのデータを特定のクラウドサービスに直接転送するクラウドリソースアダプターです。

サポートされているクラウドサービスとそのリソースを指定すると、データをそのサービスにインプットできるそうです。

Funnel は、デバイスから直接クラウドサービスにデータを転送します。 仕組みとしては、SORACOM Beamと似ていますが、Funnel は「アダプタ」と呼ばれる各種クラウドごとの接続機能が提供されており、クラウドサービスに特化したデータ転送サービスです、とのことです。

Beamとの違いは、クラウド特化クラウド専用アダプターというところですかね。

対応しているクラウドサービスは以下の通りです。

  • AWS IoT
  • Amazon Kinesis
  • Amazon Kinesis Firehose
  • Microsoft Azure Event Hubs
  • Google Cloud Pub/Sub
  • Amazon Kinesis Video Streams
引用元:SORACOMウェブサイト

FunnelもBeamと同様に、「接続先の切り替え」と「Unified Endpointによる複数サービスの利用」に対応しているみたいです。

■SORACOM Funnelの利用料金

SORACOM Funnelの利用料金は、

1 リクエストあたり 0.000018 USD(税別)

で、無料枠が1アカウントあたり月間 50,000 リクエストと定義されています。こちらも今回のPoCでは超えないようです。

SORACOM Funk(クラウドファンクションアダプタ)

SORACOM Funk は、クラウドサービスの Function を直接実行できるサービスです。クラウドリソースを活用することで、IoTデバイスをシンプルにすることができるそうです。

IoTデバイスは、低消費電力としたいので、複雑な処理はなるべくさせたくないものです。その際に、その処理をクラウド側でやらせることにより、その目的を達成できます。

クラウドが提供する以下のFaaSに対応しています。

  • AWS Lambda
  • Azure Functions
  • GCP Cloud Functions
引用元:SORACOMウェブサイト

AWS Lambdaとかと連携したい場合は、このFunkを使えばいいのですね。

Funkは「Unified Endpointによる複数サービスの利用」に対応しているみたいです。

SORACOM Funkのご利用料金

1 リクエストあたり 0.000018 USD(税別)で、1アカウントあたり月間 50,000 リクエストまでの無料枠があります。

SORACOM Harvest(データ収集・蓄積)

SORACOM Harvestとは、IoT デバイスからのデータを収集、可視化およびファイルを保存するサービスです。

SORACOM Air が提供するセルラー通信、LPWAでの通信を使って、IoT デバイスのセンサーデータ等を手間なくクラウドにアップロードできます。また、画像ファイルやログファイルなどのファイルにも対応しています。

引用元:SORACOMウェブサイト

Harvest Data と Harvest Filesの2種類があって、それぞれ下記のような取り扱いになってます。

  • SORACOM Harvest Data
    • テキスト、JSON、バイナリなどデータ
  • SORACOM Harvest Files
    • 画像やログなどのファイル

今回もし使うとしたら、Harvest Dataの方ですね。データの保持期間はデフォルトで40日、最長で731日です。731日は365+366ということで定義されているのでしょうかね。うるう年含めた2年間ってこと。

■データの可視化

ユーザコンソールからデータのグラフ表示や、送信されたメッセージの表示ができるそうです。

引用元:SORACOMウェブサイト

地図形式での表示も可能だそうです。何かと便利ですね。

引用元:SORACOMウェブサイト

■Harvestのユースケース

Harvestは以下のようなユースケースが想定されています。

  • デバイスが送っているデータ(ペイロード)をクイックに確認したい時
  • 手間なくデータを可視化、画像やログデータなどをアーカイブしたい時
  • IoTデバイスのファームウェア適用したい時

Harvestを使えば、IoTデバイスとSORACOM Airだけでデータの確認ができます。クラウドを用意する必要がありません。

Harvestにたまったデータは、簡単にグラフや地図などで可視化でき、またAPIを使って確認やダウンロードができます。

アップロードしたファイルをIoTデバイスからダウンロードできることを利用し、ファームウェアのアップデートの適用が簡単にできます。

■Harvestのご利用料金

Harvest を有効にしたグループに所属する 1 SIM カードまたは 1 デバイスあたり 1 日 0.05 USD(税別)と、従量課金として書き込みリクエスト: 1 リクエストあたり 0.00004 USD(税別)となります。

無料枠として、1 アカウントあたり毎月 31 日 分の「Harvest 利用オプション」が無料となってます。1SIMで2000リクエスト以内だと無料枠に収まりますね。

今回のPoCはこれで十分な気がしてきました。クラウド不要かもしれないですね。

SORACOM Inventory(デバイス管理サービス)

Inventory は、OMA LightweightM2M(LwM2M)をベースにしたデバイス管理のためのフレームワークを提供するサービスで、SORACOM Air と連携したデバイスの自動登録が可能です。

デバイスのデータ/状態取得、デバイスへのデータセット、プログラムの遠隔実行、ファームアップデートなどをリモートから行うことができ流ので、デバイス管理サーバーを用意し、各種設定することなくリモートからデバイスを管理できるそうです。

デバイス側に LwM2M に対応したエージェントを動作させておいて、デバイスに認証用の鍵を置くことなく、SORACOM Airと連携したデバイス登録ができます。

引用元:SORACOMウェブサイト

デバイスの登録費用が 1 USD/台・回 (税別)で、アクティブデバイスが0.50 USD/台の料金がかかりますが、月あたり 1.5 USD分が無料枠となっているので、1台だけだったら無料で使えます。

SORACOM Lagoon

SORACOM Lagoonはダッシュボード作成/共有サービスで、Harvestに集められたデータで複数のグラフ、テーブル、地図等を組み合わせたダッシュボードを作成し、それらを共有できます。

引用元:SORACOMウェブサイト

Harvestを使う場合は、このLagoonで可視化すればいいということですね。

利用料金も、無料枠があるようです。

おわりに

今回は、コネクティビティとアプリケーションサービスに関して調べてみました。調べる前は、知識0でしたが、SORACOMにどんなサービスがあるのか、そして、どんな時にそのサービスを使うのかがだいたいわかってきました。

初回PoCでは、SORACOM AirとSORACOM Harvestを使うことでクラウドなしにデータの蓄積参照ができそうな気がします。

将来的には、蓄積データのAIでの処理などを実施したいと考えてますので、その時はFunnelやFunkを使ったクラウドサービス連携といったことをしていかないといけないですね。

まずはこの考え方をベースに構築を進めながら、さらに詳しいところを調べていきたいと思います。

コメント

  1. […] 前回、SORACOMについて調べました。1SIMだけだとほとんど無料枠でいけそうだったので、善は急げ、早速SORACOMを買ってみたいと思います。 […]

  2. […] まずは、以下の構成で試してみようと思うので、Harvestを設定してみます。Harvestに関しては、以前調査したココを参照してください。 […]

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